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トップ脳梗塞・脳出血の後遺症は治るのか?回復の可能性とリハビリのポイント

脳梗塞・脳出血の
後遺症は治るのか?
回復の可能性と
リハビリのポイント

「脳梗塞・脳出血で倒れた後、麻痺が残ってしまった。この後遺症は、もう治らないのだろうか?」 脳梗塞は脳の血管が詰まることで、脳出血は脳の血管が出血することで、脳細胞がダメージを受ける病気です。
その結果、身体の片側が動きにくくなる「運動麻痺」をはじめ、「感覚障害」や「失語症」など、様々な後遺症が残ることがあります。
ご本人様はもちろん、ご家族にとっても、これらの後遺症とどう向き合っていくかは、非常に切実な問題です。
この記事では、脳梗塞・脳出血の後遺症が回復する可能性と、そのために知っておくべきリハビリのポイントについて、専門的な知見を交えながら分かりやすく解説します。

後遺症の回復過程には「個人差」がある

脳梗塞・脳出血後の回復は、大きく3つの時期に分けられます。

  • 急性期:発症から約2週間
  • 回復期(亜急性期):発症後2週間から6か月
  • 生活期(慢性期):発症後6か月以降

一般的に、後遺症の改善が最も顕著に見られるのは、発症後の数週間から3か月で、6か月を過ぎると自然な回復は緩やかになると言われてきました。
しかし、ここで希望を捨ててはいけません。近年、6か月を過ぎた慢性期であっても、適切なリハビリテーションを行うことで機能が改善することが報告されています。
つまり、「後遺症は治るのか?」という問いに対する答えは、「回復のスピードや程度には個人差があるが、慢性期に入ってからも改善の可能性は十分にある」ということです。

なぜリハビリで改善するのか?鍵は脳の「神経可塑性」

一度壊れてしまった脳の神経細胞は、残念ながら元通りに再生することはできません。
それでもリハビリで機能が改善するのは、脳が持つ「神経可塑性(しんけいかそせい)」という働きのおかげです。
神経可塑性とは、ダメージを受けた神経細胞の代わりに、周りの生き残った神経細胞が新しいネットワークを作り出す能力のことです。これにより、失われた機能を別の神経が補えるようになります。
リハビリの最大の目的は、この神経可塑性を最大限に引き出し、脳の働きを再編成していくことにあります。

後遺症改善の効果を高めるリハビリの3つのポイント

神経可塑性を最大限に引き出し、後遺症の改善を目指すためには、リハビリにおいて以下の3つのポイントが非常に重要です。

ポイント1:できるだけ「早期」からリハビリを始める

発症後、早い時期は脳が最も変化しやすい、つまり神経可塑性が働きやすいゴールデンタイムです。この時期にリハビリを開始することで、回復を効果的に促すことができます。 また、早期リハビリは、体を動かさないことで筋力や体力が低下してしまう「廃用症候群」を防ぐという重要な役割も担っています。

ポイント2:質の高いリハビリを「十分な量」行う

後遺症の改善には、リハビリの「量」が不可欠です。高頻度で集中的な反復練習を行うことで、脳の新しい神経回路が強化されます。逆に、麻痺した手足を使わないでいると、脳はその使い方を忘れてしまい、さらなる機能低下を招く「学習性の不使用」という状態に陥ってしまうこともあります。 リハビリの量を増やすことは、日本の「脳卒中治療ガイドライン2021」でも強く推奨されています。

ポイント3:「適切な難易度」の課題に挑戦する

ただやみくもに量をこなせば良いというわけではありません。リハビリの「課題の難易度」が非常に重要です。 簡単すぎる課題や、セラピストにただ動かしてもらうだけの受動的なリハビリは、脳への刺激が少なく、改善効果は限定的です。
逆に難しすぎる課題は、失敗体験がストレスやモチベーションの低下につながり、逆効果になることもあります。
理想的なのは、「少し大変だけど、工夫すればなんとかできる」と感じられるくらいの、絶妙な難易度設定です。この「ちょうどよい挑戦」が、脳の神経可塑性を最も効率的に引き出します。

あきらめずに、専門家と相談しながら一歩ずつ

脳梗塞・脳出血の後遺症の回復は、決して簡単な道のりではありません。しかし、ご紹介したように、適切なリハビリを継続的に行うことで、慢性期であっても機能が改善する可能性は十分にあります。
重要なのは、「早期から開始し、適切な難易度のリハビリを、十分な量行うこと」です。

後遺症の状態や回復のペースは、お一人おひとり全く異なります。
ご自身の状態に最適なリハビリの進め方についてお悩みの際は、ぜひ一度、土岐内科クリニックにご相談ください。
脳神経内科専門の医師が、あなたの現在地を正確に評価し、目標達成までの道のりを一緒に考え、最適なリハビリテーション計画をご提案いたします。

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