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脳血管障害で
入院中の方へ
このようなお悩みはありませんか?
- 脳血管障害の治療が一段落したけれど、退院後どうしたらいいのか分からない…
- 再発を防ぐために誰に相談すればいいの?
- リハビリは続けたいけど、どこに通えばいいの?
- 退院後の自宅での生活に不安がある
脳血管障害で入院~退院までのリハビリの流れ
脳血管障害は前触れもなく、突然に発症することが多い病気です。
「どこまで回復できるのだろう…」「後遺症は残るの?」「自宅に帰れるのか」「介護が必要になるのか」等、発症直後は患者さんご本人だけでなく、ご家族も不安や戸惑いを抱えるものです。
ここでは、脳血管障害の発症から退院に至るまでのリハビリの流れについて説明します。
脳血管障害後の回復には、段階に応じた適切なリハビリが欠かせません。それぞれの回復過程に合わせて、以下のようにリハビリが進みます。
【リハビリの基本的な流れ】
①急性期(発症直後~数週間)
命を守る治療と、安静状態からの初期リハビリが中心です。
体力や意識状態に合わせて、座る・立つ・車いすに乗るなどの基本動作を練習します。
②回復期(おおよそ1〜6ヶ月)
最もリハビリによる回復効果が高い時期です。
毎日最大3時間の本格的な訓練で、トイレ・食事・移動などの日常生活動作を取り戻します。
③退院後(維持期)
この時期こそ、継続的な医療フォローとリハビリの連携が重要です。
身体機能の維持・さらなる改善を目指して、デイサービズ・デイケア、訪問リハビリなどの介護保険サービスや外来リハビリの利用が推奨されます。
急性期や回復期におけるリハビリはよく実施されていますが、維持期以降のリハビリは十分に行われていない傾向にあります。特に地方や高齢者世帯では在宅リハビリサポート体制が整っていないのが現状です。
当院における脳血管障害患者様のサポート
脳出血や脳梗塞などの脳血管障害を発症すると、まずは急性期病院での入院治療が行われます。 その後、状態に応じてそのまま自宅に戻る方もいれば、慢性期のリハビリ病院へ転院してから退院される方もいらっしゃいます。いずれの場合でも、最終的にはご自宅での生活に戻ります。
以前、あるテレビ番組で、脳梗塞の後遺症により片麻痺が残った患者さんが、退院後リハビリを続けたくても続けられないことを問題視していました。その時の言葉が『杖をください』です。患者さんは、退院後のリハビリを’’杖’’と言い換えたのです。退院後もリハビリさえできれば歩くことができるのに、世の中には’’杖’’がなかったのです。脳梗塞を専門とする医師にとって、衝撃的な言葉でした。
通常、医療保険での回復期リハビリ病院を退院した後は、介護保険に切り替え、「維持期リハビリ」に移行するよう案内されます。
つまり、発症から6か月が経つと、医療保険でのリハビリは原則終了し、介護保険に切り替えてくださいというのが、国の制度上の方針です。
しかし残念ながら、多くの老人施設や介護施設では本格的なリハビリはあまり受けられません。それでも全国には、志ある医療従事者が積極的に介護保険の枠の中でリハビリを提供しています。当院も、その1つでありたいと考えています。
ところが、退院後の通院先として、あまり深く考えずに専門外の医療機関を選んでしまう方が意外と多いのが現実です。
しかし、脳血管障害は「退院=ゴール」ではありません。 むしろ、退院後のフォロー内容によって、日常生活動作の回復度合いや再発のリスクに大きな差が出る可能性があります。こうした理由からも、脳血管障害を経験された方には、退院後も専門医による継続的な診療が望ましいのです。当クリニックでは、脳神経内科専門医が中心となり、退院後の生活を見据えたサポート、患者様1人ひとりの状態に合わせたポートを提供しています。
運動機能や認知機能のチェック
脳血管障害の方の症状は、運動麻痺だけでなく、感覚障害、高次脳機能障害(記憶力や注意力の低下など)など、多岐にわたります。当院では、脳神経内科専門医による詳細な評価を行い、「どの程度の麻痺が残っているか」「体幹のバランスに問題はないか」「認知機能があるかどうか」などを正確に把握します。
そして、その状態が改善しているのか、維持されているのか、あるいは悪化しているのか、定期的に観察し、適切なリハビリテーションや生活指導に繋げていきます。
しかし、こうした評価は専門の知識をもつ医師でなければ適切に行うことが難しいのが現実です。実際に当院へ転院された患者さんの多くが、「退院後、初めてしっかりと運動機能や認知機能のチェックを受けました」とおっしゃいます。
退院後の診療先としては、脳神経内科を標榜している医療機関を選ぶことが大切です。 ご自身やご家族の今後の生活の質のためにも、適切なフォローアップを受けられる医療機関を選ぶことをおすすめします。
継続したリハビリ
医療保険を用いたリハビリには、発症から5〜6か月程度までという期間制限がありますが、機能回復はその後も続く可能性があります。当院では、医療保険のリハビリ終了後も、介護保険を利用した通所リハビリ(デイケア)、訪問リハビリなど、患者さんの状態やご希望に合わせた継続的なリハビリテーションプランをご提案・調整いたします。こうしたリハビリプランの提案や調整は、専門医でなければ適切に行うことができません。
とくに訪問リハビリに関しては、専門医による「指示書」の交付がなければ利用できない仕組みとなっています。当院では保険診療に加え、水素吸入療法といった先進的なアプローチも積極的に導入しています。
こうした保険適用前の新しい治療法をいち早くご紹介できるのも、専門医ならではの強みといえるでしょう。
定期的な画像検査・血液検査
脳血管障害を経験された方は、少なくとも年に1回は頭部CTやMRIに加えて、MRAによる血管の評価も含めた検査が推奨されます。特に「どの部位の血管が、どの程度狭窄しているか」といった状態は、定期的に把握しておくことが大切です。また、こうした画像所見に基づいて、抗凝固療法や抗血小板療法の見直し・調整が必要になるケースも少なくありません。また、再発予防のための生活習慣病等の定期的な血液検査も推奨されます。
再発予防のためには、検査結果に応じた適切な治療のアップデートが欠かせないのです。
当院では、CTに対応しております。MRI、MRA検査が必要な方は、提携している病院と連携させていただきます。
公的手続き(書類手続き)を専門医がしっかりサポート
脳血管障害を経験された方は、入院時の傷病手当金や障害年金、身体障害者手帳の申請、退院後の介護保険の手続き、民間の保険の診断書作成、年末の確定申告における障害者控除や特別障害者手当の申請など、多くの書類手続きが必要となります。こうした手続きは、一般病院では見落とされがちで、患者さんご自身やご家族が後から気付くケースも少なくありません。
当院では、これらの制度に詳しい脳神経内科専門医が、患者さんやご家族の負担を軽減できるよう、適切な情報提供や手続きのサポートを行います。専門外の医療機関では見落とされがちな制度や支援についても、しっかりとご案内いたしますのでご安心ください。
退院前からのご相談も受け付けております
「まだ入院中だけど、退院後の相談をしておきたい」
「家に戻れるかどうか不安」
「退院後の通院やリハビリの流れを事前に把握しておきたい」
当院では、こうした不安にしっかり寄り添うために退院前からのご相談もお受けしています。ご本人はもちろん、ご家族の方もお気軽にご相談ください。
